飛行機にキャリーケースを持ち込むとき、「これって預け入れで大丈夫?」「機内に持ち込んだら没収される?」と不安になったことはありませんか?
実は、キャリーケースに入れてはいけないものは、機内持ち込みと預け入れでルールがまったく異なります。 うっかり禁止品目を入れてしまうと、空港で没収されたり、保安検査に時間がかかったり、場合によっては罰則の対象になることもあります。
この記事では、飛行機のキャリーケースに入れてはいけないものを、機内持ち込み・預け入れ別にわかりやすくまとめました。これから荷造りをする人は、ぜひチェックリスト代わりに使ってみてください。
なお、ルールは航空会社や空港、国際線・国内線によって細かく異なる場合があります。この記事では一般的な基準を紹介しますが、必ず搭乗する航空会社の公式ページで最終確認をするようにしてください。
そもそもなぜキャリーケースに入れてはいけないものがあるの?
航空機内に持ち込めるものには、航空保安上の理由と火災・事故防止の観点から厳しい制限が設けられています。
とくに危険物と呼ばれるものは、航空機の運航そのものを脅かすリスクがあるため、国際民間航空機関(ICAO)の基準に基づいて世界各国で統一されたルールが適用されています。
また、機内持ち込みと預け入れでルールが分かれている理由は、客室と貨物室の環境の違いにあります。貨物室は客室に比べて気圧や温度の変化が大きく、万が一発火した場合にすぐに対応できないため、リチウムイオン電池のように発火リスクのあるものは原則として預け入れが禁止されています。
飛行機のキャリーケースに入れてはいけないもの【カテゴリー別】
ここからは、機内持ち込み・預け入れの両方で制限があるものと、どちらか一方で制限があるものをカテゴリー別に紹介します。
1. リチウムイオン電池(モバイルバッテリー・予備電池)
もっとも注意が必要なのが、モバイルバッテリーに代表されるリチウムイオン電池です。
- 機内持ち込み:原則として可(ただし制限あり)
- 預け入れ:原則として不可
- 理由:ショートや過熱による発火リスク。貨物室での火災は消火が極めて困難
リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、衝撃や高温で発火する危険性があります。そのため、ICAOの技術指示に基づき、予備バッテリーはすべて機内持ち込みが義務づけられています。
持ち込みのルールの目安:
- 100Wh未満のバッテリーは、個数制限内で機内持ち込み可
- 100Whを超えるものは航空会社の承認が必要(160Whまで)
- 予備電池は端子を絶縁テープなどで保護し、ショートを防止する
ノートパソコンやスマートフォンに内蔵されたバッテリーは、機器本体に搭載された状態であれば預け入れも可能な航空会社が多いですが、予備のモバイルバッテリーは絶対に預け入れないでください。
2. 刃物・鋭利なもの(カッター・ハサミ・ピンセットなど)
- 機内持ち込み:不可
- 預け入れ:可(ただし安全に梱包)
- 理由:凶器として使用されるリスク
カッターやハサミ、先端の尖ったピンセットやヤスリなど、客室内で凶器になりうるものはすべて機内持ち込み禁止です。
爪切りや安全カミソリでも、航空会社や空港の判断によっては機内持ち込みが認められないケースがあります。「ちょっとした刃物だから大丈夫」とは考えず、刃物類はすべて預け入れ荷物に入れるのが無難です。
預け入れる際は、ケースに入れるなどして安全に梱包しましょう。
3. 火気類(ライター・マッチ)
- 機内持ち込み:原則不可(国内線は特例あり)
- 預け入れ:原則不可
- 理由:火災の直接的原因になるため
ライターやマッチは、機内持ち込みも預け入れも原則禁止です。
ただし、日本国内線に限り、吸煙用の使い捨てガスライターに限って機内持ち込みが認められる特例があります(原則1個まで)。しかし、ターボライターやオイルライター、ガス補充式のライターはこの特例の対象外です。
また、国際線ではほぼすべてのライターが禁止されていると考えてください。国によっては預け入れもできないため、現地で購入するか、事前に処分するのが確実です。
4. エアゾール製品(ヘアスプレー・制汗スプレー・殺虫剤)
- 機内持ち込み:制限付きで可
- 預け入れ:制限付きで可
- 理由:高圧ガスによる破裂・引火のリスク
ヘアスプレーや制汗スプレー、殺虫剤などのエアゾール製品は、内容量と本数に制限があります。
制限の目安:
- 1本あたりの内容量が0.5L(500ml)以下
- 1人あたりの合計が2L以内
また、引火性ガスを使用している製品はさらに規制が厳しくなるため、航空会社の公式規定で必ず確認してください。
なお、「中身が少なくなったから大丈夫」ではなく、容器本体に記載されている内容量が基準になります。500mlを超える缶は、中身が少なくても持ち込みできません。
5. 液体物(化粧品・飲料水・ジェル類)
- 機内持ち込み:国際線は100mlルールの対象
- 預け入れ:制限なし(ただし危険物でなければ)
- 理由:爆発物への転用リスク防止
国際線の機内持ち込みでは、すべての液体物・ジェル状のもの・エアゾールは、1つあたりの容器容量が100ml以下でなければなりません。
ここで注意したいのは、容器の容量が基準という点です。中身が50mlでも、容器が150mlのボトルに入っている場合は持ち込み不可になります。
また、すべての液体物を1リットル以下の透明なジップロックバッグに入れ、1人1袋までという制限もあります。
国内線ではこのルールが緩和されるケースがありますが、国際線に乗り継ぐ場合は国際線のルールが適用されるため、あらかじめ100mlルールに従って荷造りをするのが安心です。
化粧品やコンタクトレンズ用液、歯磨き粉などもこのルールの対象になるので注意してください。
空港で没収されないために知っておきたいこと
キャリーケースにうっかり禁止品目を入れてしまうと、保安検査で引っかかり、その場で没収されることになります。
没収された場合、基本的に返却はされません。とくに思い入れのあるライターや高級な爪切り、愛用のハサミなどは、事前に預け入れ荷物に入れるか、自宅に置いていくようにしましょう。
また、保安検査で引っかかると、追加の荷物検査が行われるため時間がかかります。出発直前の保安検査でトラブルになると、搭乗に間に合わないリスクもあるため、余裕を持った行動が大切です。
うっかり入れてしまった場合の空港での対応:
- 保安検査場でスタッフに指示されるままに没収に同意する
- 廃棄ボックスに自分で入れるよう指示される場合もある
- 搭乗前に郵送できるサービスがある空港もあるが、時間と費用がかかる
もっとも安全なのは、出発前にキャリーケースの中身をすべてチェックし、禁止品目が入っていないことを確認することです。
航空会社ごとのルールの違いに注意
この記事で紹介した内容は、一般的なルールをもとにしていますが、航空会社によって微妙にルールが異なることがあります。
とくに以下の点は、搭乗する航空会社の公式ページで確認しましょう。
- リチウムイオン電池の個数制限
- ライターの特例ルール(国内線でも航空会社によって扱いが異なる)
- LCC(格安航空会社)のサイズ・重量制限(特に機内持ち込みサイズは厳格)
- 医療用機器・医薬品の取り扱い(特例が認められる場合がある)
LCCを利用する場合は特に注意が必要です。機内持ち込みのサイズ制限が3辺合計115cm以内と厳しく設定されており、重量も7kgまでとしている航空会社がほとんどです。サイズオーバーや重量オーバーだと、高額な超過料金がかかることもあります。
よくある質問
Q. モバイルバッテリーは預け入れできないの?
A. できません。 予備のリチウムイオン電池はすべて機内持ち込みが義務です。機内持ち込みの際も、ショート防止のために端子部分を保護してください。
Q. ライターは国内線なら機内に持ち込めるの?
A. 条件付きで可能な場合があります。 日本国内線に限り、吸煙用の使い捨てガスライターに限り機内持ち込みが認められる特例がありますが、1個まででターボライターなどは対象外です。国際線ではほぼ禁止です。
Q. 化粧品は預け入れできる?
A. できます。 ただし、引火性の高いもの(除光液など)は危険物に該当する場合があるため、航空会社に確認が必要です。機内持ち込みの場合は国際線で100mlルールが適用されます。
Q. 電子タバコはどうすればいい?
A. 本体は機内持ち込みが必須です。 予備のリキッド(液体物)は100mlルールの対象になるため、小分け容器に入れてジップロックに収める必要があります。
Q. ドライアイスは預け入れできる?
A. 航空会社の承認が必要です。 事前に航空会社に連絡し、許可を得たうえで所定の方法で梱包する必要があります。
まとめ:キャリーケースの中身は出発前に必ずチェック
飛行機のキャリーケースに入れてはいけないものをまとめると、以下のようになります。
- リチウムイオン電池(モバイルバッテリー) → 機内持ち込み必須。預け入れ禁止
- 刃物・鋭利なもの → 機内持ち込み禁止。預け入れ可
- ライター・マッチ → 原則持ち込み禁止(国内線は特例あり)
- エアゾール製品 → 容量・本数制限付きで可
- 液体物 → 国際線は100mlルールを厳守
もっとも大切なのは、「たぶん大丈夫」と自己判断しないことです。ルールは安全のために存在します。出発前には必ずキャリーケースの中身をすべてチェックし、不安なものは搭乗する航空会社の公式ページで確認する習慣をつけましょう。
空港で「没収された」「時間がかかって焦った」というトラブルを防ぐために、この記事を荷造り時のチェックリストとして活用してみてくださいね。

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